ジムジャームッシュの映画「ナイトオンザプラネット」
タクシー運転手のウィノナ.ライダーが最高にかっこよく煙草をスパスパ吸う。
もう見てて調子悪くなるくらいガンガン吸う。
煙草がかっこよかった時代。そしてかっこいいは正義だった。
そこから世界は変わったと思う。変わったのは自分かもしれない。
今年公開の映画松居大悟監督の「ちょっと思い出しただけ」のテーマソングは「ナイトオンザプラネット」
クリープハイプがタクシー運転手の伊藤沙の後部座席で歌っている。
それでちょっと思い出してこの映画を見た。
見直してみて最も心に残ったのはウィノナ・ライダーではなくて東ドイツからきたNEW YORKのタクシードライバー、ヘルムートの言葉だった。
「私は道化だ。金は必要だが重要じゃない」
お金を稼ぎにNYまで来てるのに彼はお金にまったく執着しない。
今までお金に苦労し続けてきた自分、一円でも多稼がないと、と必死になってきて、たどり着いた今の自分の気持ちにあまりにぴったりきて号泣してしまった。
お金に振り回されてきて、そしてもう大丈夫ってなって。
だからこそ手に入れた今の自分の価値観。
彼の人生はどんなだったんだろう、と物語に奥行きが広がり、
改めて自分にとって忘れられない映画になった。
ちなみに伊藤沙莉はバンドの演奏を最後まで見てからきっちり割り増し料金請求してたよ(笑)